ヤブツバキ探訪Ⅻ「再びなめり谷地」H290314

平成27年8月から始まったヤブツバキ探訪も12回目となりました。今回は昨年3月24日に続いて、再び馬緤町山中「なめり谷地」。
3月14日10時「すずなり」集合。

可憐な「ワラビヒメ」。ヤブツバキの変種で、源義経主従が奥州へ逃れる途中、馬を繋いだという伝説の馬緤町でみつかったことから、能登へ流罪となった平時忠娘の源義経側室「わらび姫」という名がついたそうです。

この袋は単独交配で実を結ぶかどうかの実験。

サファリラリー並みの悪路を走行して現地到着

探索開始


花数が少ないナメリヤチの椿

樹根の洞に落ちた花

陽が射すと明るくなる冬の樹林

幹の重なりが美しい

巨樹の測定 幹周り376センチ
急斜面での測定は危険で困難な作業。
油断すると滑り落ちる、文字通りの滑谷地(ナメリヤチ)!
冬枯れのため葉がなくて、木の名前は特定できないそうです。
悪路に夏草が生い茂る頃は辿り着けそうもなく、やはりナメリヤチは秘境なのです。

落椿

巨樹のふところに落ちた椿 


3種の樹木。ケヤキと椿、もう1本は不明。これも葉がないので特定できません。

ヒメアオキの幼木がいっぱい

絡み合う樹幹


春一番の新芽発見。

悲鳴が聴こえそうなこのねじれ。

枯死。キノコがびっしり。

枯木にも個性。これは椿。剥がれた樹肌が痛々しい。

これは?

何らかの原因で立ち枯れる樹々。

世代交代?寿命?

水路に落ちた椿

まだ青々とした葉が生きている今冬倒れた椿。

倒れたというよりは折れた!

これも椿です。

樹のオブジェ

冬枯れ?状態の溜池。昔はこの溜池にたまった水が、更に奥の田んぼの水源となったそうです。

世代交替完了

谷地底の溜池。

色も形もさまざまな落椿。


樹根

樹幹

水路

迫力の樹根は野生の力強さを感じさせる。

杉、アテの植林という開発の手を免れた貴重な原生林。

急斜面の谷地だったことが幸いし、スポットのように残った現在のナメリヤチですが、昔はもっとスケールの大きな谷地だったそうです。

溜池に注ぐ細い水路

地上に、たくましく貼りつく根


本日の成果は!

頭上高くに花椿

春蘭?ではなくオクノカンスゲ

晩秋にきれいなムラサキの実をつけるジャノヒゲ。冬の間に実は動物の餌になった?
ナガバジャノヒゲと訂正あり。

精一杯日光を受けるために大きな葉をつける椿の幼木

まだ花には早いミヤマカタバミ

イノシシが奮戦した跡

名残惜しいナメリヤチ花椿

ここで方向転換するのは至難の技

帰路、立ち寄ったアカガシ巨樹の洞。小動物の棲家?

樹肌を流れ落ちる樹幹流が見えるよう!

今回も到達できなかったスダジイ巨樹

毎回、植生に詳しい探索チームから学ぶことがたくさんあります。
メンバーを追いかけて、カメラで撮るのが精一杯で、
その場で植物や木の名前を聞いても、忘れることが多く
樹木の名前を一向に覚えられません。
でも、羨ましいくらい肌理の細かい、美しい樹肌の椿だけは
幹を見るだけで自信を持って特定できるようになりました。