蜜と果実

前回、ヤブツバキの蜜の話を少し書きましたが、この蜜、実はヤブツバキの繁殖にとても重要な役を担っているのです。

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写真のように花から果実ができるには、何かを媒介として雌しべが雄しべの花粉を受粉しないと結実することはありません。
春に咲く花の多くは、受粉を蜜を吸いに来た花アブやミツバチなどの昆虫に頼っています。でもヤブツバキが花をつける1〜3月と寒い時期には、昆虫たちがほとんどいません。では、ヤブツバキを受粉させているのは誰かというと、実は小鳥や小動物なのです。冬場、あまり餌がない時期に大量に蜜を蓄えるヤブツバキは、鳥たちや小動物にとってはとてもありがたい存在。ヤブツバキの花の根元に溜まった蜜を求め、メジロやヒヨドリ、テンや野ネズミなどが次々と訪れ、花の奥に顔を突っ込み蜜を求めます。
そのためヤブツバキの花の頃には、椿の木々に顔を真っ黄色にしたメジロなどの小鳥たちを見ることができます。
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こうしたヤブツバキのように鳥たちを開始受粉する花を、鳥媒花と言います。
ヤブツバキの花の頃に活躍した、鳥たちのおかげで、能登のヤブツバキには今年もたくさんの実が付いています。
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