先日掲載しました、消えゆく屋敷林のお話の続きです。
9月28日(月)に「明日から伐採します」と、連絡がありました。
早速、いつもの調査隊のメンバーに連絡しまして、29日の朝、現場に集合することになり、ヤブツバキの伐採に立ち会いました。
当然のことながら持ち主の意向は最優先ですから、私たちは伐採されたヤブツバキの木の記録を残してやること。
伐採された後の残された木の再利用方法を考え、有意義な使い方をすることにしました。
上の写真は、切り倒されたばかりのヤブツバキの株です。驚いたことに、切られた株をよく見るとわずか数分の間に、水を吹き出していました。まるで涙のような水滴が切り株の表面に湧き出ていました。
なんと大量の水を吸い上げ含んでいたことか・・・。
切り倒された後、業者の方に幹の輪切りサンプルを二個作ってもらいました。これは、年輪を数え樹齢を調べたり、年輪から育った環境を調べ、記録として保存するためのものです。
現場で、ざっと数えてみましたが70本はありました。詳しくはまだ調べていないのでまた後日報告します。
このヤブツバキは日当たりの良いところで育っていたので、年輪と年輪の間もわりと幅がありました。
もう一つ、他の樹木に囲まれながら育った方のヤブツバキは、幹も76センチと写真の椿より一回りほど小さいのですが、年輪がきめ細かく詰まっているため、ざっとですが80本はありました。
育つ環境によって、幹周りも年輪の数も違ってくるということを、この日改めて実感いたしました。
この日は、すべての屋敷林を伐採できないということで、午前中に必要とする椿の木にリボンやテープを貼り、これらの木を残すようお願いしてサンプルを持って帰って来ました。
そして10月1日、伐採が終わったということで現場の椿の状態を確かめに行ってきました。その時の写真が下の写真です。前回の報告の写真と見比べてもらうとよくわかりますが、一本残らず切り倒されていました。
次の写真は4本が癒着した椿だと思っていたものが、3本の椿で1本は枝とはっきりとわかったその写真です。
いろいろな調査の結果はまた後日報告します。
なお、この椿は「椿の里」として地域振興を図っている市内の団体「大崎塾」に引き取られることになり、今後、椿の里としていろいろなものに利用していくそうです。