蝉しぐれを浴びながら、ヤブツバキのプッシュを抜けていくと
迷い込んだのは「連理の森」。
あまりの壮観に立ち尽くす探訪隊。
写真を撮りまくりましたが、
暗すぎてなんとか写っていたのは3分の1ほど。
なまめかしい美肌の椿の巨樹たちが、
あちこちでカラミアイ、連理の枝と化している
禁断(?)の椿林に入り込んだ、我らヤブツバキ探訪隊4名狂喜。
まるで妖気漂う泉鏡花の世界のようです。
見事な連理。
「連理ばかりを探しに来たのではない」と言いながらも
一同、発見するたんびに奇声をあげて、駆け寄る始末。
タブとヤブツバキが一体(同)化しているスゴイのもありました。
白楽天「長恨歌」玄宗と楊貴妃の「連理の枝」を彷彿させる一体化。
角度を変えると癒着しているのがはっきり分かります(画像提供sakaさん)
帰ってからもずっと、なぜ、あの森にだけあれほど多くの連理の枝が見られるのかと、考え続けました。
森が存在するのは、前方にも後方にも海を望むことができる小さな岬で、
冬の季節風が前後左右ツムジ風のように吹き荒れる特異な地形。
ヤブツバキの枝は冬中、外浦の強風に揉まれ、翻弄されます。
傷みを自ら修復しつつ、樹形を変貌させていったに違いありません。
植物の力の凄さに感動です。